お知らせ

エアコン工事に関わる職人さんにとって、天気は現場のやりやすさを大きく左右する要素の一つです。とくに梅雨や台風シーズンなど、雨が続く時期は段取りの難しさだけでなく、作業の安全性や施工品質にも気を遣う場面が増えます。

「雨だから中止にするか」「ちょっと無理してでもやるか」――この判断って、実は意外と難しいんですよね。でも、無理をしてトラブルになったり、後からクレームを受けたりするくらいなら、最初から雨天時の対応についてしっかり理解しておくべきです。

今回は、雨の日にエアコン工事を行う際のポイントや、プロとして意識すべき注意点をじっくりお伝えします。

まず確認すべきは「安全性」

どんなに段取りが完璧でも、まず優先すべきはやっぱり安全。特に脚立作業や高所作業がある場合は、足元が濡れているだけで滑って大事故になるリスクがあります。特に屋根置きや壁面設置のときは、雨が降ると施工位置が滑りやすく、設置作業中にバランスを崩すことも。

感電のリスクも忘れてはいけません。電源工事や室内機の結線作業の途中に雨水が入り込めば、最悪のケースもあり得ます。雨の日にどうしても作業を進める場合は、防水の手袋・長靴・レインウェアなどの着用を徹底しましょう。また、室外機の取り付け時には、濡れた手での配線作業を避けるなどの配慮も必要です。

室外機の設置は要注意！固定が甘くなるケースも

雨の日に特にトラブルになりやすいのが室外機の設置です。たとえば地面に直接置く「平置き設置」では、地面がぬかるんでいたり、ブロックがズレてしまったりして、しっかり固定できていないことがあります。雨が上がったあとでお客様が室外機を触って「なんかグラついてる」と感じたら、信頼は一気に失われます。

また、ベランダ置きや屋根置きの際は、雨水の排水経路もしっかり確認しておかないと、あとから水たまりができてしまい、振動や騒音の原因になることも。

室外機の足場は、雨が降っていようと水平が取れているか・滑らないか・ズレないかを丁寧にチェックすることが重要です。

室内作業は雨でも問題ない？実は意外な落とし穴

「雨だから、外だけやめて室内だけやる」という現場も多いですが、これにも注意点があります。

たとえば配管穴を開けた後、外壁から雨が吹き込んできて室内が濡れてしまったり、ドレンホースの勾配確認が外の設置とセットじゃないとできなかったりと、室内作業だけを先行すると逆にやり直しが発生するケースもあります。

特にドレンホースの排水ルートが重要。雨水と一緒に逆流するような設置だと、数日後に「室内が水漏れした」とクレームになることも。雨の日こそ配管・排水の確認は入念に行い、できる限り一括での完了を目指しましょう。

機材や道具の管理もいつも以上に気を付けて

雨の日の工事では、工具や資材の管理も神経を使います。特に真空ポンプやフレアツールなど、精密な道具が雨水に濡れると精度が落ちてしまい、施工ミスの原因に。車から現場までの道のりでも、濡れないようにしっかりと養生をする必要があります。

また、エアコン本体の搬入も大事。段ボールが水を吸って柔らかくなったり破れたりすると、機器の破損リスクが高まります。防水シートやビニール袋でしっかり養生し、搬入ルートにも滑り止めなどの配慮が求められます。

「雨だから遅れる」は仕方ない。だけど伝え方がカギ

お客様への連絡も大事なポイントです。たとえ工事が中止になる場合でも、「今日は雨なので行けません」だけでは不親切。施工内容やリスクを説明しつつ、「安全と品質を守るため、日を改めさせてください」ときちんとお伝えすることが、信頼につながります。

逆に、「多少の雨でも工事は可能です。ただ、状況によっては室外機の設置が不完全になる場合もあるので、万全を期すなら晴れの日が理想です」といった説明ができると、プロとしての印象はグッと良くなります。

連絡手段も大切です。電話だけでなく、ショートメッセージやLINEなどで文面として残すことで、「言った」「聞いてない」のトラブルを防ぐことができます。

結局のところ、“やる・やらない”は現場判断がすべて

天候と相談しながら、どこまで進められるか、どうやって安全を確保するか――これは現場にいる職人さんの経験と判断力にかかっています。正直、雨の中でもしっかり仕事をこなせるかどうかで、その業者の信頼度が決まると言っても過言じゃありません。

ただし、無理をしてケガをしたり、クレームを招いたりしては本末転倒。だからこそ、雨の日こそ「慌てず・焦らず・丁寧に」が鉄則です。

雨の日の工事でも信頼を勝ち取れる業者へ

雨の中の作業は、普段以上に気を遣うことが多くなります。でも、こうした状況でも丁寧な対応を心がけ、安全を確保しながら高品質な工事を提供できる職人さんは、必ずお客様や取引先から信頼されます。

「雨の日にこそ、その業者の本当の実力が見える」と言ってもいいでしょう。焦らず、的確な判断と丁寧な施工を意識することが、結果として次の仕事につながっていくはずです。

次の雨の日、あなたはどう現場と向き合いますか？プロとしての意識と工夫が、信頼をつかむ大きなカギになります。

 

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