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【エアコン工事】真空引きの手順とポイント

エアコン工事の中でも「真空引き」は、設置後の冷媒配管内の水分や空気を完全に除去する重要な作業です。これを怠ると、エアコンの冷却性能が落ちるだけでなく、コンプレッサーの故障や冷媒漏れの原因になることもあります。
ここでは、エアコンの真空引き工事の手順と、その際のポイントについて詳しく解説します。
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① 真空引きとは?
真空引きとは、エアコンの配管内の空気・水分・不純物を取り除く作業のこと。
具体的には、真空ポンプとマニホールドゲージを使用して、配管内の圧力を約-100kPa(-0.1MPa)にまで下げることで、内部の水分を気化・除去します。
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② 真空引き作業の必要性
エアコンの冷媒回路内に空気や水分が混入すると、以下のようなトラブルが発生する可能性があります。
• 冷却・暖房性能の低下(空気や水分が冷媒の流れを妨げる)
• 配管内部の腐食(水分が冷媒と反応して酸を生成)
• コンプレッサーの焼き付き(エアコンの心臓部が故障)
• 冷媒漏れのリスク増加(不純物がバルブやシールを劣化させる)
したがって、真空引きはエアコンの寿命や性能を左右する最重要工程といえます。
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③ 真空引きの手順
【準備する工具】
• 真空ポンプ
• マニホールドゲージ
• チャージホース(ブルー:低圧用)
• トルクレンチ
• 六角レンチ
• R410A対応のゲージマニホールドセット
• 耐圧ホース(冷媒に適合したもの)
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【1. 配管接続の確認】
真空引きを始める前に、冷媒配管の接続部(フレアナット)が適切に締められているか確認します。
トルクレンチを使って規定トルクで締めるのがポイントです。
《適正トルクの目安(R410Aの場合)》
• φ6.35mm(2分) … 14~18N・m
• φ9.52mm(3分) … 34~42N・m
• φ12.7mm(4分) … 49~61N・m
• φ15.88mm(5分) … 68~82N・m
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【2. マニホールドゲージの接続】
次に、マニホールドゲージを真空ポンプとエアコンのサービスバルブに接続します。
接続方法
1. **ブルーホース(低圧側)**を、室外機のサービスポートに接続。
2. **イエローホース(中央)**を、真空ポンプに接続。
3. バルブが閉じていることを確認し、接続部をしっかり締める。
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【3. 真空ポンプの運転(15~30分)】
1. マニホールドゲージのバルブ(低圧側)を開く。
2. 真空ポンプの電源を入れて、真空引きを開始。
3. 15~30分間、配管内を真空状態にする。(目安:-100kPa)
4. ゲージの針が-100kPaになったら、真空ポンプを停止。
5. バルブを閉じて、10分ほど放置し、圧力変化がないか確認する。
o 圧力が上がる場合は、どこかに漏れがあるため、再度配管をチェック。
o 圧力が安定していれば、真空引き成功。
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【4. サービスバルブの開放】
真空引きが完了したら、室外機のサービスバルブを開放し、冷媒を流します。
1. 六角レンチを使用し、低圧・高圧バルブをゆっくり開放。
2. 冷媒が流れ始めると、シューッという音がするので確認。
3. 全開にしたら、しっかりキャップを締める。
⚠ 注意点
• 一気に開けると冷媒が急激に流れてシステムに負担がかかるので、ゆっくり開けること。
• 開放後、再度漏れがないか確認。
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④ 真空引きの確認方法
真空引きの成功は、ゲージの指針が-100kPa(-0.1MPa)で安定しているかで判断します。
また、圧力低下がないか10分以上確認することで、リーク(漏れ)がないかチェックできます。
《漏れの原因》
• フレアナットの締め付け不足
• フレア加工の不良
• Oリングやパッキンの劣化
万が一、圧力が戻る場合は、漏れ箇所を特定し、フレアナットの増し締めや再フレア加工を行います。
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⑤ 最終チェックと試運転
1. エアコンを試運転モードで運転。
2. 吹き出し温度と冷媒配管の温度を確認。(正常なら低圧側が冷たく、高圧側が温かい)
3. 異音・異常振動がないか確認。
問題なければ、真空引き・施工完了です。
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⑥ よくあるトラブルと対策
トラブル 原因 対策
圧力が-100kPaにならない 配管内の漏れ 接続部をチェック・フレア加工の見直し
真空引き後、圧力が上昇する 配管内の漏れ or 水分残留 配管接続の確認・再真空引き
エアコンが効かない 冷媒漏れ or サービスバルブ開放ミス 冷媒量確認・バルブの再開放
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⑦ まとめ
エアコンの真空引きは、冷房効率や機器の寿命に直結する重要な作業です。
適切な手順と確実なリークチェックを行うことで、施工不良を防ぎ、長期間安心して使用できるエアコン設置が可能になります。
「適当に真空引きを済ませると、後々大きなトラブルに…」
だからこそ、手間を惜しまず、確実に施工することがプロの技術者の責任ですね!


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